人は、学習している時と、それを思い出す時の気分が一致している場合、学んだことを思い出しやすくなる傾向があります。
これを心理学では、気分状態依存効果といいます。
例えば、「嫌な気分を引きずっていると、過去にあった同じような嫌な記憶を掘り起こすことがあります。 こういった“負のループ”は、気分状態依存効果が起因しているといわれています。
これは脳が持つ一つの特徴であるため仕方がありません。
なぜなら、私たちの脳は、同じ過ちを繰り返さないように、過去の記憶を掘り起こし学習しているからです。
しかし、いつまでも、イライラしていると精神的に疲弊するので、気持ちを切り替える努力が必要です。
サロンでは、施術後にセルフケアのアドバイスをすることがありますが、次回のご来店の際にそのアドバイスを覚えている人と、そうでない人がいます。
実際にセルフケアをしているかどうかは別として、覚えているお客様は、健康意識が高く、セラピストとのコミュニケーションを楽しんでいる傾向があります。
そういったお客様は、サロンのサービス内容や価格に関係なく「あなたに会いたいから来た」というような、価値観の結びつきを感じている方(価値客)が多いため、サロンとは全く関係のない出来事であっても、ポジティブな気持ちの時には、楽しい記憶としてサロンを思い出してくれます。
セラピストは、技術だけでなく、お客様を楽しませる工夫、または一緒になって楽しむ工夫や心配りを忘れないことが重要なポイントになります。
このように、気分状態依存効果という脳の特徴を生かして、お客様の記憶に残るサロン作りをしてはいかがでしょうか。
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作成者
セラピストの世界に『顧客教育』という言葉があります。
まずは、ご自身の身体の状態や、疲れの原因を認識していただくための教育をします。
次に、どのようにすれば改善するのか、《していいこと・してはいけないこと》などの教育をしてお悩みの改善を目指すというものです。
「気持ちがいい」だけのリラクゼーションサロンをしている人は《顧客教育》という概念はないですね。
顧客教育を受けるとき(インプット時)の気分が今回の「気分状態依存効果」に関わります。
一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会
2023/11/22